正法寺(岐阜大仏) 日本最大の乾漆造り【岐阜】
- 2012/01/04
- 20:00
岐阜 正法寺(岐阜大仏)
岐阜城の麓、岐阜公園の近くに通称「かご大仏」、「岐阜大仏」と呼ばれる黄檗宗の正法寺がある。 岐阜城といえば、戦国の武将、斎藤道三や織田信長の居城としても有名で、観光地として多くの人が集まる場所である。ここの岐阜大仏は迫力があり、愛らしいお顔をしていて日本三大仏の1つとしても挙げられているのだが、知名度が低く岐阜に住む人でも知らない人が多い。 ![]() |
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正法寺(岐阜大仏) | |||
黄檗宗らしく本堂は中国風の特徴のある造りで、この中に大仏様が安置できるというのが不思議なくらいだ。何度か再建はされているが、その造りは堅牢で、1891年に発生したマグニチュード8の濃尾地震に於いても、この本堂は崩れることはなかったという。 ![]() |
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正法寺(岐阜大仏) | |||
本堂に入るとすぐに大きな大仏様が目の前に現れる。お堂の大きさとは不釣り合いなほど大きな体躯で、背中を少し前かがみにし光背もこちら側に巻き込んでいるために、その迫力に圧倒される。 大きく伸びた左手は膝の上にそっと乗せている。 ![]() |
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正法寺(岐阜大仏) | |||
大仏の名の通り像高は約13.7mと奈良の大仏様(14.98m)と大きさに大差はない。 天保3年(1832年)に完成した岐阜大仏は日本最大の乾漆造で江戸時代に第十一代惟中和尚が相次ぐ大地震や飢饉の災霊の祈願をたて、奈良東大寺の大仏の聖徳を敬わって建立をはかる、しかし文化十二年建立半ばにして惟中和尚はこの世を去り、第十二代肯宗和尚がその後を継ぎ。天保3年(1832年)、38年の年月をかけて完成した。 ![]() |
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正法寺(岐阜大仏) 観音堂 | |||
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正法寺(岐阜大仏) 十一面観音立像 | |||
その造りは一般的な木芯乾湿の技法とは異なり、周囲1.8mのイチョウの木を真柱とし、骨格は木材、外部は竹材で編みその上に粘土を塗り一切経、阿弥陀経、観音経などを張りその上から漆と金箔を貼って仕上げている。 ※木芯乾漆造り…白凰から天平時代にかけて流行した技法。木で作った土台の上に、漆に浸した麻布を貼る技法。木彫りのように削るというマイナス作業ではなく、漆を盛っていくというプラスの作業。興福寺阿修羅像などが乾漆仏の代表作といえよう。しかし、高級な漆を使うというこの技法は、長続きせず平安期には一木造といった木造が主体となりこの技法は廃れていった。 かご大仏という通称は、この籠網のような外部の姿から名付けられた。 ![]() |
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正法寺(岐阜大仏) | |||
うっすらと開けた目と、口元の上がり方は愛らしくまるで少女のような優しさを持つ。正面に立つと薬指と親指を合わせた印相はまさにOKサインのように全てのことは間違いではないと許していただいているような気持ちになる。この大仏様は向きあうこちら側が、優しい気持ちになるから不思議なものである。 この正法寺の近くには、徒歩5分圏内に岐阜市歴史博物館や円空美術館もあるので併せて回りたい。 正法寺(岐阜大仏)HP:http://www.gifu-daibutsu.com/index.html 所在地:岐阜県岐阜市大仏町8 電車:JR岐阜駅または名鉄岐阜駅から岐阜バス「N80高富」行 他、行先番号「N32」~「N86」の岐阜公園・高富方面行き及び「市内ループ左回り」で15分 片道200円 「岐阜公園・歴史博物館前」下車 徒歩5分 拝観時間:9:00~17:00 拝観料:200円 その他詳細情報は仏像ワンダーランドHPへ>>
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参拝日:2012/01/02 |
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